裁判・訴訟
Judgment

裁判・訴訟Q&A

※当事務所の費用・報酬・営業時間についてのご質問は こちら をご参照ください

  • アパートの賃貸人が家賃を半年以上滞納して困っています。追い出すことは可能ですか?

    • まずは内容証明による未払賃料の支払の催告、賃貸借契約の解除の通知をしましょう。
      アパートの賃貸人であるあなたが、賃借人および連帯保証人に対して、書面(内容証明、配達証明付き)で、未払賃料の支払を一定期限までにするように催告するとともに、その期限までに未払賃料の支払がない場合は、Aとの間の賃貸借契約を解除する旨を通知します。もちろん当事務所でも作成できます。

      その後は建物明渡訴訟をすることになります。主に下記2つの手続きをすることになります。

      1.占有移転禁止の仮処分の申立ての検討
      現在の占有者(賃借人)を被告として判決を得ても、第三者に占有が移転されると、この判決では第三者に対して建物明渡の強制執行をすることができなくなります。このような事態を避けるために、訴訟提起前に、占有移転禁止の仮処分の申立てを検討しておきます。占有移転禁止の仮処分命令の執行により、現在の占有者(賃借人)から第三者に占有が移転したとしても、建物明渡の強制執行をすることができます。

      2.建物明渡の訴訟提起
      建物明渡請求訴訟では、賃貸人であるあなたは原告となり、賃借人は被告として、訴えを提起します。訴えを提起するには、訴状、証拠を提出する場合は証拠のコピーを、このほか、貼用印紙と予納郵券を裁判所に提出します。
      (1)貼用印紙額
      訴えを提起する場合には、訴額に応じて、定められた手数料を収入印紙により納付します。建物の明渡の訴額は、所有権に基づく場合、目的物の価額(固定資産評価証明書に記載されている固定資産評価額)の2分の1です。
      (2)予納郵券
      訴状を提出する際は、予納郵券も同時に提出します。予納郵券の額や郵券の組合せは、各裁判所により異なりますので、訴状を提出する裁判所に事前に確認してください。だいたい5500~6000円ぐらいです。
      (3)管轄
      建物明渡請求の管轄は、不動産所在地を管轄する裁判所または被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所です。訴額が140万円以下の場合は、簡易裁判所および地方裁判所に、訴額が140万円を超える場合は、地方裁判所に管轄権があります。
      (4)訴訟での和解交渉・建物明渡請求訴訟の終了
      訴訟提起後、口頭弁論期日に被告が出廷した場合、あなたは、アパートからいつ出て行くのか、未払賃料はいつまでにいくら払うのか等の和解(話し合い)を試みることができます。第1回口頭弁論期日にあなたが出廷し、被告が欠席し、かつ、答弁書を提出していない場合、通常、第1回口頭弁論期日で結審します。但し、訴訟進行は裁判所が行いますので、口頭弁論期日が何回で終了するかは事案により裁判所が判断します。

      はやめに当事務所にご相談ください。烏丸仏光寺司法書士事務所では建物明渡訴訟を積極的に引き受けております。

  • 建物明渡請求訴訟で勝訴したにもかかわらず相手が出ていきません。どうしたらいいですか?

    • 1.建物明渡の強制執行の申立て
      建物明渡の強制執行の申立ては、申立書と必要書類を管轄裁判所の執行官に提出し、予納金を納付します。建物明渡の強制執行では、賃貸人であるあなたを債権者、賃借人を債務者といいます。
      (1)管轄
      不動産の明渡しの強制執行は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の執行官に対し、申立てをします。
      (2)予納金の納付
      強制執行の申立ての際に、予納金を納付します。予納金は、各裁判所により異なりますので、事前にご確認ください。予納金は6万5000円ぐらいです(債務者1名、物件1個の場合)。
      (3)申立てに必要な書類
      申立ては、建物明渡の強制執行申立書のほか、物件目録と当事者目録を必要枚数分提出し、執行力のある債務名義の正本(判決や和解調書)、送達証明書、資格証明書(当事者が法人の場合)、執行場所案内図、委任状(代理人に委任した場合)を添付します。

      2.建物明渡の強制執行の大体の流れ
      申立て・予納金納付

      執行官面接

      明渡催告期日

      明渡断行期日

      目的外動産の引渡・売却・廃棄

      明渡完了

      申立後は、執行官面接で債権者のあなたは執行官と打ち合わせをして、催告期日に、執行官が執行場所(建物のある場所)に行き、執行官が債務者に対して、任意履行を催告し、明渡しの断行期日を告知します。明渡猶予期間までに債務者が任意に明渡しをしない場合は、断行期日に執行官が建物をあなたに引渡し、運送会社が建物内の目的外動産(債務者の荷物等)を搬出します。この断行で、建物は、債務者が出て行った状態になります。執行官面接では、あなたが裁判所へ行き、催告期日および断行期日では債権者であるあなたの立会いが必要となります。その後、通常は、売却されなかった目的外動産を廃棄もしくは債務者に引渡し、予納金を清算して、建物明渡は完了します。

      もちろん当事務所でもお手伝いさせていただきます。烏丸仏光寺司法書士事務所では建物明渡訴訟を積極的に引き受けております。

  • アパートを引き払ったのですが、大家が敷金を返してくれません。どうしたらいいですか?

    • 賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人が負担しなければならない原状回復費用の範囲については、国土交通省や東京都等のガイドラインや、多くの判例によって、原則として、「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等」とされています。つまり、時間の経過による建物の自然な劣化・損耗等(経年変化)や、賃借人の通常の使用による損耗等(通常損耗)による原状回復に要する費用は、賃貸人つまり大家さんが負担するものとされています。

      また、契約書に「経年変化や通常損耗についても賃借人が負担する」という特約がある場合ですが、やはり、ガイドラインや判例等では、

      1.特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在あり、金額についても具体的に書かれていること
      2.賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
      3.賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

      といった要件を満たさないと特約の効力が争われる可能性があるとされています。

      したがって、もし、特約について、契約時に金額等について十分な説明がなされず、あなた自身も特約について納得して契約をされたのでなければ、大家さんは特約を主張できない可能性が高いと思われます。

      一度、以上述べたようなことを、大家さんにお話になってみて、それでも解決しないようであれば、訴訟を提起されてはいかがでしょうか。
      もちろん当事務所でもお手伝いさせていただきます。烏丸仏光寺司法書士事務所では敷金返還請求訴訟を積極的に引き受けております。

  • 借りようと思っているマンションの契約条項に損害賠償責任保険に加入することが記載されています。この場合、損害賠償保険に入らないと契約できないのでしょうか?

    • 契約書は有効ですので、もし契約したい場合は加入義務はありますが、加入する保険は借り主の自由です。

      契約の条件として、借家人賠償責任保険などへの加入を義務づけている場合には、借り主は保険に加入しなくてはいけません。ただし、一般的に、加入する保険について具体的な定めがない場合は、保険に加入をする義務はあっても、どの保険に加入するかについては不動産会社に従う義務はなく、自分で選択できます。その際、注意しておかなくてはいけないのは保険会社、保険の種類によって保険の内容が異なるという点です。具体的には、以下のような保険がありますので、貸主が加入の条件としている内容を満たしているかどうかを不動産会社、貸主に確認の上、加入するようにしましょう。
      また、今住んでいるマンションを契約した時に加入した保険に残存期間がある場合には、次の住まいでも保険の適用を受けられる場合もありますので、保険会社に問い合わせをしてみましょう。
      (1)借り主の家財道具の損失を補償することを主たる目的とする保険。
      →これは借り主の家財に対しての保険ですから、貸主とは無関係で、これに加入したことで貸主が条件とする保険に加入したことにはなりません。
      (2)貸主に対して法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる保険。
      →貸主が加入の条件とする保険として合致します。また、貸主との契約に基づいて、借り主が負担する小修理費用を一定限度で支払ってくれる内容が付加された保険もあります。
      (3)相手を貸主に限定せず、他人の物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に一定額の保険金が支払われる保険。
      →内容によっては、貸主が加入の条件とする保険として合致することがあります。

  • 子供の泣き声がうるさいという理由で、マンションの貸主から契約更新を拒否されてしまいました。この場合、出ていかないといけないのでしょうか?

    • 契約書に記されている契約解除の要因に該当するか否かがポイントになります。

      子供の出す騒音の程度が、契約解除の原因になるようなものでなければ、賃貸契約は、法定更新されるので、出ていく必要はないと考えられます。ただし、マンション生活を営む者のマナーとして、こうした騒音を防止するような対策は必要と考えられます。

  • 駐車場のオーナーをしています。ずっと放置された車を撤去したいのですが、どうしたらいいですか?

    • 撤去の場合、請求の相手方は放置自動車の所有者となりますので、所有者がわからない場合は、まずは所有者が誰なのかを調べる必要があります。

      その方法は、車が普通車か軽自動車かで異なります。

      放置自動車が普通車であれば、「登録事項等証明書」を最寄りの運輸支局(かつて陸運局と呼ばれていました)で取り寄せることができます。

      軽自動車の場合は、登録事項証明書の制度はありません。
      最寄りの軽自動車協会で閲覧申請をして、開示の許可が出された事項についてのみ情報を得ることができます。但し、個人情報保護の問題もあり、最近はなかなか情報を得られにくいと言えます。

      そして放置自動車の撤去のための法的手続は、運輸支局の登録の有無によって異なってきます。

      登録のある(ナンバープレートの付いている)普通自動車は、法律上は不動産と同じ性質を有するとされていますので、差押えや売却手続は不動産競売とほぼ同じ手続で行われます(自動車競売手続といいます)。

      登録のない(ナンバープレートの付いていない)普通自動車と軽自動車は、法律上は動産と同じ性質を有するとされていますので、差押えや売却手続は一般の動産として行われます(動産競売手続といいます)。

      さらに、所有者の状況としては、所有者と連絡が取れる場合と、連絡が取れない場合の2つがあります。
      そこで、まず、「登録のある普通自動車」につき「所有者と連絡が取れる場合」について、説明させて頂きます。

      この場合の手続の流れは、次の通りとなります。

      (1)所有者に対して、内容証明郵便にて、未払い駐車料の請求、契約解除の通知、自動車の撤去及び駐車場明け渡しの請求をします
      (2)未払い駐車料の支払及び駐車場明け渡しを請求する訴訟を提起する。
      (3)判決を取得する。
      (4)自動車の差押え(競売手続)を裁判所に申し立てる。
      (5)自動車競売ができなかった場合には不動産の明け渡し執行を行う。
      (6)登録自動車をゴミとして廃棄処分する


      いくら勝つ確率が高い裁判をしたといっても、費用が莫大であれば、裁判をする意味がありません。放置自動車の撤去に関する裁判は烏丸仏光寺司法書士事務所におまかせください。烏丸仏光寺司法書士事務所では土地明渡訴訟を積極的に引き受けております。お見積もりは無料です。

  • 内容証明の書き方を教えてください。

    • 内容証明郵便は同時に3枚(郵便局保管、相手方送付、差出人保管)作成しなければなりません。

      用紙は白いコピー用紙でかまいませんが、一行に20字以内、一枚26行以内で書かなければなりません。ただし、横書きで作成する場合は、一行13字以内、一枚40行以内、または一行26字以内、一枚20行で作成することができます。
      また、用紙の枚数が二枚以上になるときは契印(割り印)をしなければなりません。

      内容証明に使用する文字はカナ、漢字、及び数字で、それ以外のものは英字(固有名詞に限る)及び、括弧、句点、その他、一般に使用される記号に限られる。句読点(、。)などは一字と見なされます。

      用紙内には、必ず差出人(発信人)と受取人(受信人)の住所、氏名を末尾余白に付記しなければならなりません。ただし、住所、氏名が文章の内容に記載されたものと同一であるときは省略することができます。

  • 裁判や訴訟を依頼する際の注意点を教えて下さい。

    • 司法書士の立場から、依頼者の方にお願いしたいことがあります。
      まず、司法書士に相談したり、依頼したりする前に、事実関係を整理しておいていただきたい、ということです。上手に整理できていれば、事件処理もスムーズになります。ただし、注意していただきたいのは、客観的な事実の部分と、憶測や推測・想像といった部分とを明確に区分しておく、ということです。まず、客観的な事実を整理して、その上で、想像を交えて解釈して行くのが望ましいと思います。 自分が当事者である事件についてこれを行うのは、誰でも簡単にできることではありませんが、このような整理ができていると、法律相談や事件処理がスムーズに進むことが多いです。 次に、自分に不利な事実も正確にお話いただくのがよいでしょう。後になって、小出しにされますと、全体の構成が崩れてくることがあります。場合によっては、最初に主張していたことと矛盾が生じてしまう場合もあります。最終局面になって、構成が崩れると取り返しがつかなくなり、最悪の事態になります。最初から有利な事実と、不利な事実とを把握していることが、戦略を立てる上で必須となるのです。
      そして、依頼者の方に一番お聞きしたいのが、「どうしたいのか」という点です。どのような解決を望まれているのか、何を獲得したいのか、ということがはっきりしないことが多いのですが、それでは司法書士として事件の解決に向けた戦略が立てられません。また、依頼者の方から、司法書士としての意見を求められることもあります。どうしたらよいか、決めてくれと言われることもあるのですが、事件の結果について責任を取るのは依頼者ご自身ですから、司法書士は軽々に介入することはできません。結論はご自身で選んでいただき、司法書士はあくまでもその判断に必要な法的な情報だけを正確にお伝えする、ということになります。事件の収め方をどう考えるか、ということは、やはりご自身で決めていただくことが重要でしょう。 

  • 借用書がなくても貸金返還請求訴訟は可能ですか?

    • 契約は書面等が無くても成立しますので、法律的に権利はあるのだと思いますが、相手がそんなものは知らないと主張した場合には裁判で証明しない限り、権利を強制的に実現することはできません。

      まず、いつ、いくら、貸したのか?その際、返してもらう予定についてはどう考えていたのかをまとめて下さい(金額や日付も分からないのでは、裁判で証明以前の問題です)。

      次に、まとめた事実関係を証明できる客観的な資料があるか考えて下さい(借金についてのメールとか)。借主のお金の使い道を立証でき、かつ、そのお金は貸主が貸さないと調達不可能だと証明できれば、裁判ではプラス材料です。
      法律的には、①お金を実際に渡した事、及び、②それについて返済の約束をしていたこと(要するにタダであげたわけではないこと。)、の両方を証明する必要がありますが、やはり、相手がしらを切りと通そうとする場合①が厄介です。交渉するのであれば、ICレコーダーでも何でもいいのですが、②は置いておいて、①について何か言わせる又は書かせることが重要です(例えばカバンの中にレコーダーを入れた状態で、「前に渡した●万円だけど。」「あー、お金ね…。今ちょっと手持ちが無いんだよねー…。」という会話をするという方法が考えられます。)。

      なお、交渉するのであれば、上記のように裁判になった場合の証拠という観点を意識する一方、裁判までせずに返してもらえる方が望ましいのは言うまでもありませんので、可能であれば、分割返済等の約束をし、借用書を作成するようにしましょう。そしてできれば公正証書にしてもらいましょう。
      烏丸仏光寺司法書士事務所はでは、借用書なしで裁判で貸金を回収した例は沢山あります。裁判はもちろん借用書の作成のみも可能です。

  • 会社に対して未払い賃金を請求したいのですが、どのような流れになるのでしょうか?

    • 会社への文書送付、労働基準監督署への申告
      まず、会社に対して、内容郵便等を送付し、こちらの要望を伝える必要があります。文書の内容については、お話をお伺いしたうえで、司法書士が文案を作成します。
      受け取った会社が、要求を拒絶したり、回答がないときは、当事者の間で紛争のあることが確認できます。
      (労働者と会社との間で紛争の状態にあることが、「あっせん」の制度を利用する前提になっています。)
      会社が、話し合いを希望したときは、話し合いの場をもうけます。
      (話し合いには、依頼者本人に行っていただきますが、会社の同意があるときは司法書士も同席します。 必要なアドバイスを依頼者の方にいたします。なお、会社側との交渉などを司法書士が行うことはできません。)
      事件によっては、労働基準監督署へ申告をした方がよいケースもあります。申告については、書類作成等わかりやすく説明いたします。

      あっせん手続きの申立
      会社が、内容証明文書等のこちらの要望を拒絶したり、話し合いで解決できないときは、
      「あっせん」の申請を行います。
      「あっせん」の手続きの機関には、労働局、都道府県労働委員会、社会保険労務士会の3つがあります。
      「あっせん」の手続きは、1回のみで終了します。「あっせん案」を双方が受け入れれば、解決となります。

      労働審判手続きの申立
      「あっせん」の手続きで解決できなかった場合は、裁判所へ労働審判の申立をすることを検討します。
      この場合は、認定司法書士として、労働審判申立書類作成のサポートとなります。(手続きについて、代理することはできません。)